カウンセリング

心因性EDというジレンマ

EDはerectile dysfunctionの略で、勃起障害のことをいいます。以前はインポテンツと言われていましたが、差別用語ということで現在はEDという名称になっています。定義としては「満足な性行為を行うのに、十分な勃起が得られないか、または維持できない状態」「このような状態が3カ月以上続く」となっています。

わが国のED有病率は中等度EDが約870万人、完全EDが約260万人。合わせて約1130万人と推定されています。そして、EDの中には、3種類あり、それは器質性ED、心因性ED、混合性EDとなります。器質性EDとは体の問題から来るEDであり、原因として加齢の他に、病気として糖尿病、高血圧、前立腺癌の手術後などがあります。心因性EDは心の問題から来るEDであり、若い人が多い印象です。

男性はナイーブな動物なので、気分が乗らないと勃起しにくくなります。性行為を強要されるような状態や、勃起しなければならないと気負いすぎている場合は、立たなくなってしまいます。多いのは、妊活EDといって、定期的にやってくる排卵日に合わせて、性行為をしなければならない、というシチュエーションに陥っている男性です。疲れて帰ってきて、その上に膣内射精をしなければならない、、結構な重圧です。しかし、そのような方でも大概は朝立ちが正常にあり、マスターベーションでの勃起機能も問題ありません。しかし対人となると勃起がうまくコントロールできないのです。

われわれが取り組んでいるのは、心因性EDのセックスセラピーによる改善になります。心因性EDでも軽度から中等度であれば、PDE5阻害薬と言われるバイアグラ®︎、シアリス®︎、レビトラ®︎などのお薬で、ある程度効果が認められます。重症の心因性EDの場合は、これらの薬で効果が不十分なことがあります。理由として、勃起を起こさせる興奮中枢にかなりの抑制がかかっていることが想定され、それに対しては行動療法とパートナーシップの調整が必要になってきます。

心因性EDに対するセックスセラピーを受ける理由は人によって様々です。重症の心因性EDになるとPDE5阻害薬が効きにくくなるため、セックスセラピーでその効果を高めたいという方です。また、軽症や中症の方でPDE5阻害薬を用いれば挿入可能ではあるが、今後は薬の服用をやめたいという方や副作用で服用できない方もいらっしゃいます。いずれにせよ、心因性EDの方は長年セックスレスになっているカップルも多いので、その点も配慮してセラピーを行います。

具体的に我々が行なっているのは段階的な行動療法とカップルカウンセリングによる心理カウンセリングアプローチで、心の問題と体の問題の両面から心因性EDに取り組みます。我々の検討では、バイアグラ®︎、シアリス®︎、レビトラ®︎などのお薬の効果が不十分な男性に対して、約半年間にわたり平均5.5回のカウンセリングを行うことによって約8割の方に明らかな勃起機能の改善効果が確認できました。ただしセックスセラピーの効果を高めるためには、パートナーの十分な理解と継続的な協力が必要なこともわかりました。

もし、心因性EDでお悩みになっている方は是非「性のお悩み相談」からご連絡下さい。個別カウンセリング、カップルカウンセリングを含めて相談に応じたいと思います。