コラム

第42回日本性科学会学術集会で発表しました

先日、横浜で開催された第42回性科学会学術集会で「現代のセックスレスカップルに対する心理カウンセリングと行動療法によるセックスセラピーの検討」と題しまして木村がEsolveでの経験を発表しました。

簡単に発表した内容をお伝えすると、今回の検討ではセックスレスカウンセリングを行った45例を検討。クライエントの平均年齢は男性38.5歳、女性35.5歳。交際(結婚)期間は5.7年に対し、セックスレスの平均期間は3.2年。婚姻関係ありが37例(82%)、そのうち子供のいるカップルは10例 (22%)、挙児希望が26例(58%)、不妊治療歴ありが11例(24%)でした。

セックスセラピーの平均継続期間は5.7ヶ月、平均セッション回数は7.3回。セックスレスの原因として最も多かったのは男性の性欲低下を伴う勃起不全、次いで女性の性嫌悪、性交痛・性欲低下でした。全症例のうち行動療法を導入できたのが22例(49%)、そのうち最終的に効果ありと判断したものが10例(22%)。一方で9例(20%)がパートナーシップの解消を選択されました。

判定基準の線引きが難しいのですが、最終的にパートナーシップの解消を決断できたことが一定の効果と考えると、セックスセラピーで何らかの変化がもたらされるのではないかと思います。

特別プログラムにある招請講演では社会学者・映画批評家・東京都立大学 教授の宮台真司先生のお話が聞けました。以前から性に関する書籍なども参考にしていたので、実際にお会いできて感慨深いものがありました。