レビュー

快感回路

なぜ快楽は人間を虜にするのか、、。この本を読めばわかります。

ディヴィット・リンデン先生という、名門ジョンホプキンス大学の神経科学者が快感を感じるメカニズムについて医学的に考察した本です。特に第4章の「性的な脳」は私好みのトピックです。

ダイジェスト

297ページの読み応えのある本ではありますが、掻い摘んで読んでもOKです。全体のテーマとして快感と依存があり、それぞれトピック別に考察されています。最初に脳内報酬回路に関するネズミや人体実験のお話、第2章でローマ時代に遡って人間と麻薬系の薬物のお話があります。第3章で過食・肥満、第4章で性、第5章でギャンブルを扱って、第6症は快楽回路の有用面(ランナーズハイ、瞑想状態など)、第7章で未来の展望について述べてます。

第4章の性に関しては、恋愛しているとき、性的興奮、異性愛者、オーガズム、セックス依存などでどのように脳が働いているか詳しく書かれています。例えば、ちょっと専門的ですが、オーガズムの間に現れる脳の活動パターンは「内側前脳快感回路のドーパミン作動性のニューロンが強く活性化されている」ってなことが詳しく解説されており、科学好きの方はナルホドが多いかもしれません。

最後に、この本は難しい本ですか?

私は一応生理学の知識が多少あるドクターだからかもしれませんが、あまり抵抗なく読み進めることができました。知識のバックグラウンドがなくてもネタ自体が面白いので、どんどん読み進められると思います。

この本を読んだら、快感を覚えることが脳内伝達物質の作用によることがわかるんです。もし自分が何かに依存していたら、快感物質が脳内で溢れる体験をしているということになりますね。

ちなみに私は日々の診療でオーガズムを感じなくなってしまった患者さんを診療してます。なかなか有効な治療がないのですが(薬物療法は皆無と言って良いでしょう)、そのロジック(病因)が理解できただけでも得したような気がしました。